胃痛は続くよどこまでも
社会人生活は、4年になりましたが、相変わらずの胃の調子でした。転職を機に、実家へ戻りました。
飲み会がなくなり、身体のリズムがよくなったのか以前よりは、胃痛の間隔は空くようになりました。それでも、以前のように処方薬を繰り返していました。
新しい職場になって2年目の夏でした。夏場になると、冷たいものを飲むせいか、再び、胃の調子が悪くなってきました。薬を飲んでもなかなか胃痛がおさまりません。ガスターとか2週間処方でも、気持ち程度、ましになるくらいです。胃のムカつきも強く、胃のほうに血がたまっているような感じもあり身体も重く、だるさが続きました。
決断のとき
何度となく、勧められていたが、聞こえないふりをしていた
それが、「胃カメラ!」
なんという恐ろしい言葉!
指を入れるだけでえづくのに異物を入れるなんて、地獄の所業!!
でも、あまりにも、体調が戻らないので、泣く泣く覚悟を決めます。
やろう...
医療職の人に相談し、評判の医院を探し、受診しました。先生も胃カメラしたほうがよいとのことです。「あなたの場合、若いし胃がんの可能性は低いけど万が一のこともあるし、やりましょう」と。
わたし、おそらく食道のところ、他人より狭いんだと思います。すぐえづくんです。それが分かっているので、のどの奥が敏感なんです。意識しすぎて、筋肉カチカチなんです。だから、大きい錠剤とか飲めないんです。こてっちゃんとか、噛み切れないの無理なんです。イカも、細く切ってくれないと無理なんです。無理なんです。
そんな私が、
「胃カメラだとー!無理に決まってるだろー!もっと小さい錠剤タイプのカメラ出ただろ!あれじゃ、あかんのか!なにやってんだ!技術の進歩はそんなもんか!」
とりあえず怒ってみますが、解決しないので胃カメラ検査を受けることになりました。
胃カメラ検査当日~かなりえずき~
前日から、恐怖でガチガチです。
お腹は空腹にしないといけないのです。
水くらいなら少量は大丈夫ですが、体調MAX悪いし、全くそんな気にもならないので、本当に空腹で検査を受けました。胃のなか空っぽなので、「おえっ」となっても何も出ないはずです。
検査室に入り、紙コップに入った液体を渡されます。飲まないといけないのですが、緊張で飲む前から吐きそうになっています。チベットスナギツネのような看護師さんの冷たい目に見守られながら、泣く泣く、ゆっくり飲みました。
その後、横になって、鼻にスプレーをして、ゼリーをふくませた棒を鼻に突っ込みます。のどの奥に当たり、少し「おえっ」となります。そのあと、ゴロゴロ転がってから検査に呼ばれます。
検査室では、先生が待ち構えています。オペ前のような緊張感が張り詰めております。おとなしく横になり、検査がスタートします。

実際は横向き
「うねうね」と胃カメラを動かしながら、ゼリーをたっぷりつけます。「すっ」と鼻の中に入れました。私は、恐怖で目を「ぎゅっ」とつぶっていました。鼻には、スムーズに入り、痛みも何もないので驚きました!
喉の奥にカメラが来たとき、先生が「ごっくん」してと言われます。無理です。せんせー…
結局、カメラが喉の奥にちょんと当たり、「おえっ」となった瞬間...
シュルシュルシュル~!!!
こっちが、「おえっ」とえずいて苦しんでいるのにも関わらずそのタイミングで胃に入れてきたのです。なんということでしょう!!!
わたしはパニックを起こし、目の前にあるファイバーを引っこ抜こうと、手につかみます。誰も気づいていないようです。チャンス!2,3回ファイバーを引っ張ったところで、「あれ、おかしい」と先生が気づき、「こらっ!危ない!」と制止されます。看護師に羽交い絞めです。
わたしは、我に返りますが、苦しいのです。本当にしんどいのです。喉の奥にこんなものが入っているのってこんなにつらいの…
意気消沈して泣きそうになりながら、再度、胃へのカメラ挿入チャレンジ開始です!
再度、喉の奥で、「おえっ」となったタイミングで入れてくる鬼畜米兵。今回は、すんなり入りました。
するとなんということでしょう!意外や意外。喉の奥にカメラがあったときより、楽なんです。そこに管がずっとあるはずなのに特に何も感じない。喉に当たらずに通っているようです。
胃のなかを、ぐるぐると向きを変えながら、検査をします。結構平気で落ち着いてきました。次に困ったことは、唾の行き先がないんですよね。一応、外に出せるように、容器を口元に置いてくれています。唾をゴクっと飲むと、飲んだところとカメラが接触して、「おえっ」となります。何回か繰り返していると、先生から、「唾飲むとしんどいよー外に出したら?」とアドバイス。早く言えと思いましたが、外にぺっぺっと出していました。
その後、胃に空気を入れて、お腹をパンパンにされます。これが苦しいのです!!息苦しさです。お腹がふくれて、肺がつぶれているのか息を吸っても、吸えていないような感覚で、とても息苦しくはやく終わってくれーと思っていました。
胃の奥へカメラがさらに入ります。ここは狭いから、苦しいかもですよーと言われますが苦しいというより、なんともいえない不快感があります。そこで、先生が言います。「あー...あった...」
何が!?何があったの!!!
「ほら、ここ見て」と先生が画面を見せてくれます。ピンクの肌に白い線がスッと入っています。
「これが、潰瘍なんですよ。あなたは、十二指腸潰瘍です。」
十二指腸潰瘍になってしまったよお母ちゃん
先生が他にも色々解説してくれているのですが私は苦しいので、早く終わってくれーとジェスチャーで伝えます。先生は、笑いながら、「ハイハイもう終わりますよ」と空気を抜いて、スルスルとカメラも抜いてくれました。
検査後、少しゆっくりしてから先生の説明がありました。先生からは、写真を見せながら、「これは、何度も潰瘍になってますよ。なっては、治ってを繰り返しています。そのせいか肉が盛り上がって、十二指腸の入口のところも狭くなっているよ」とのこと。
ポリープの組織検査、血液検査で腫瘍マーカーをみる、ピロリ菌検査も行うとのこと。癌の可能性は低いけど、検出されたらすぐ連絡しますと怖いお話。十二指腸潰瘍って、胃潰瘍とどう違うんだ?なぜ胃じゃなくて十二指腸にできるの?など、??だらけでしたが、先生に質問することなく胃カメラ検査が終わって「ホッ」とした気持ちで帰りました。